挑戦

30歳になった時、
親方の元を離れて独立しました。

独立は親方が嫌になったわけでも、
辞めざるを得ない理由があったわけでもありません。

大工として自分がどれだけ通用するか

それが知りたかったのです。

自分の力で何かを切り開きたい

それまでの人生で経験してこなかった、
挑戦の気持ちです。

周りの人々からは反対されました。

先の仕事が決まっているわけではなく、
何も見えていませんでした。

けれども、

どうにかなる

そんな気がして、
前進しか考えられなかったのです。

独立してしばらく経ったころ、
幸運にも新築の依頼が入りました。

以前にリフォーム工事をしたお客様からの紹介でした。

そのリフォームは規模の大きな工事で、
長い期間毎日お会いしていたので、
ご家族とも親しくなり、

「嶋ちゃん」

と呼ばれていました。

お子様もなついてくれ、
休憩中に遊んだり、
一緒にお菓子をたべたり。

その頃は3歳だったでしょうか、
10年以上経った今でも時々、

「嶋ちゃん元気?」

なんて電話をくれます。

そんなご家族からの紹介が最初の一棟。

本当に嬉しかった。

この現場から順調に仕事がまわり始めました。

この現場に出入りをしていた業者が、
設計事務所や住宅会社などを紹介してくれて、
次々と仕事が増えていきました。

自分が大工として必要とされている

ただただそれが嬉しくて、
ありがたくて、
声をかけられた仕事はとにかく請ける。

毎日夜遅くまで、
日曜、祝日の休みも関係なく働きました。

その後人員も増え、
今では4名の大工職人が常駐しています。

そしてその中の一人は、
大ケガをした時に病院へ連れて行ってくれた兄弟子です。

知って得する魔法の「小冊子」限定プレゼント無料

  • 小冊子
  • イベント